episode2「開発、そして完成まで」
ただの指ルアーじゃありません!
ルアーとしての機能を兼ね備えています!
くっきー!本人の指型を取って、一つのルアーとして仕上げました。
是非、アングラーの皆さんにも手に取ってもらいたい!
「指に集いし魚々の群れ」の開発に携わった
DUO開発課:岡田卓馬氏/堀池太樹氏のインタビュー
開発・岡田氏に聞いた!「くっきー!本人の指型取り」
指の型を取るというのが、初めての作業でした。
ぶっつけ本番は流石に怖かったので、DUOのスタッフに協力してもらって何度も練習をしました。笑
実際にくっきー!さんにお会いし指を見ると、僕が思っていた以上に指が大きく太く、雄々しい…。
実際にご本人の指を拝見させていただいた時点で、開発は困難を極める予感がしました。笑
ペンシルベイトとしての理想の姿勢は、指の爪先が頭下がりよりも真っ直ぐか、欲を言えば反る感じ。
指の型を取っている最中、理想に近い指の姿勢で10~15分ほどキープしてもらいながら何度もご本人に「指を動かさないでください!」とお願いしていました。この大変な依頼をくっきー!さんは快く応じてくれました。
\ 型取りの様子はコチラ /
当然、人の指ですので真っ直ぐなカタチじゃない。
型を取ったのは良いけれど、そこから型取りした指をスキャニング、そしてデータに落とし込んで、ファーストサンプルを作るのに3カ月以上時間がかかりました。
後日、指の形状サンプルをくっきー!本人に見せた時、
「めちゃめちゃ気持ち悪くて良いっすね〜」
と一発OK!
ここからは、ルアーとしての動きを突き詰めて、
釣れる要素を加えていくことになりました。
開発・堀池氏に聞いた!「爪の型取り」
最初は指と爪、一体型で設計を進めました。
しかし開発途中で“爪を取り外し出来るようにしたい”という要望があり、
一気に作業工程と設計が難しくなりました。
くっきー!さんの爪のスキャンデータを元に、新しく爪をデータ上で作り直して、取り替えられるような設計に1カ月弱程かかりました
最初はマグネットで取り換えられるようにやってみたのですが、付け替えて水中で動かした時に、直ぐ外れてしまいました。
色々試行錯誤した結果、ヒートンを使い調整をしました。
プラモデルみたいな感覚ですよね。笑
開発・岡田氏に聞いた!「内部設計の工夫」
くっきー!さんの指のシワをリアルに見せようと思うと、シワをハンドカービングで電極を削り込む必要があり、どんどん局所的にボディ樹脂が薄くなるわけで…。
そんな状態だとルアーが壊れやすくなってしまいます。
成形不良だったり、肉薄の部分から水が入り込んだりと…。
イレギュラーなルアー形状だった為、設計に時間が掛かり苦労しましたが、
設計を工夫しながら、なんとか不安要素を改善していきました。
開発・岡田氏&堀池氏に聞いた!
「ウェイトバランスの位置&ドッグウォークへのこだわり」
形状が決まった後、ウエイト(オモリ)を入れて、動きをつけていきます。
浮き姿勢・アクションです。
従来のペンシルルアーとは異なり、指状のルアー。左右上下対照ではないため、ルアーとしてのバランスを取ることが最初の課題になりました。
また、ペンシルベイトとしての性能を付与するために、有利な形状や空気室の位置などがありますが、製品のコンセプトでもある「くっきー!本人の指デザイン」を実現するため、目標となるアクションに必要なウェイトバランスに思考を凝らしました。
ウェイト配置は、指で言うところの水かき側に、10円玉ほどのウェイトを垂直姿勢に入れています。
また、指の爪先がキレイに見えるよう指の平側に一箇所ウェイトを入れています。
それによって、理想のショートスパンのドッグウォークと指先から放つスプラッシュを実現する事ができました。
色々と試行錯誤し、ウエイトは現在の位置に決まりました。